女先生の実家の車庫にちょこんと収まっている、初代ゴルフ・カブリオ。
1993年型式の初代ゴルフ・カブリオで今から29年前の車になります。
今日は自分の趣味のお話で、おんぼろの車のお話になります。
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この車を購入したのは、今から5年前の2017年6月です。
横浜にある古いゴルフばかりを取り扱う専門店で、手ごろな車両が出たので「えいやー」と買ってしまいました。
当然、これだけの年式の車なので、あちこちとガタがきているのは当たり前でトラブルとうまく付き合いながら運転しています笑
この車、天井が開くオープンカーなのですがその天井の幌も傷んできて雨漏りはするし、スノータイヤも無いので冬は出番が少なくなります。
自宅では青空駐車なので、今年の冬は雪が多いので女先生の実家にある車庫に避難させてもらっているのでこの冬は安心して過ごせています。
晴れ間を狙って、バッテリーが上がるのを防止する為にエンジンをかけに行ったりしています笑
女先生や家族、そしてお店の末さんからも「物好きやねー」と白い目で見られ「使えん車」と言われながらなんとか5年持ちこたえています。
この車が製造された1993年と言えば、今の天皇陛下が雅子様とご結婚された年で当時の自分はウプスをオープンして間もない頃。
時間にもお金にも余裕がまったく無く、女先生と必死に働く毎日でした。
いつかは自分の好きな車を買って、のんびり乗りたいなぁーという夢を見ていた頃です。
その好きな車が、この初代ゴルフ・カブリオだったという話です。
自分が20代の若い頃。
その当時もゴルフが人気車で、自分の知り合いや友人がゴルフを乗っていると羨ましくて「いいなぁー」と思ってみていました。
その頃の自分はと言えば、美容師の修行時代で練習に追われる日々を過ごしていて、当然時間も無かったし、もちろん金銭的な余裕もゼロ笑
新車価格が350万円もするゴルフは正に高嶺の花で、手が出る存在ではありませんでした。
だけれど、車好きの自分としてはいつかは買いたいなってずっと思っていたんですね。
実際にゴルフを購入出来る様になったのは、ウプスを開業して4年目ごろ。
ゴルフもモデルチェンジをしていて、自分の好きな初代ゴルフのカクカクした車体じゃ無くなっていました。
その時買ったゴルフは、7年ローンを組んで買ったゴルフ・ワゴン。
ゴルフ史上初めてのワゴン車で、グリーンのきれいな色が映える車でした。
自分の欲しいスタイルじゃ無くなってはいたけど、いつかはゴルフのオーナーになりたいと思っていたので、それ以来買う車はずっとゴルフ。
一回、浮気をして違う車を買ったのですがどうしてもしっくり来なくてすぐゴルフに乗り換えました笑
それからは、子育てやお店の営業、子供が手を離れたと思ったら今度は結婚などなど、ずっと忙しくしていてどんどん時代が流れていきました。
そんな時です。
ずっと引っかかっていたのが初代ゴルフのカクカクしたスタイリング。
昔の若い頃に憧れていたあの初代ゴルフが、ムクムクと心の中で起き上がって来たんです笑
そんな経緯で、5年前の6月に車検の切れた今のゴルフと巡り合いました。
なにせ、車体価格が一番安い車両を買ったので、想像をしていたのですがいい状態ではなかったです。
あちこちぶつけた跡はあるし、キズは無数だし、ハンドルはカタカタ音はするし、数年放置されていて蜘蛛の巣がびっしりだし、雨漏りはするし、オーバーヒートはするし・・・
数え上げたらきりが無いほどのトラブルがあるんだけど、これがなんとも愛らしいというかなんというか・・・
出来の悪い子供ほどかわいいと言う例えがある様に、手がかかる車でも縁があって自分の手に渡ったかと思うと手入れをしながら付き合っていこうと思うんですよ。これが笑
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これは、忘れもしない5年前の大雪の時の1枚です。
自宅は青空駐車だったので、積雪がホントしゃれにならないぐらいすごかったです。
あの時は、この車にかかっている時間が無くて、10日間ほど雪に埋まったままでした。
きっと、この積雪で天井の幌はつぶれているだろうし、下手をするとボンネットや窓ガラスも壊れるかもって覚悟を決めて放置を決め込んでいました。
1メートル以上の積雪があったので、あの時は皆さんも一緒だったと思いますが自分が家族が生きるので精いっぱい。
毎日、果てしの無い除雪や数倍の時間をかけて通う通勤などで手一杯。
車や他の事にかまっている時間が本当に無かったですよね。
もう、おんぼろゴルフはダメだろうなってあきらめていました。
あの集中豪雪から10日ほど経って、生活もお店も普段を徐々に取り戻した頃。
お店が終わってからの夜にもう半ばあきらめていた、おんぼろゴルフの雪かきを始めました。
自分の腰以上に積もった雪から車を取り出すのに、どこから手を付けていいのか途方に暮れながら自宅の青空駐車場に雪でてんこ盛りになったおんぼろゴルフをフロント側から少しづつ除雪。
雪が降りだしてから一回も除雪していなかったので、それはもうすごい雪の山でした。
天井の幌も雪の重さでつぶれてもうぐちゃぐちゃになっている事を想像しながら雪をかき出していくと・・・
意外や意外。
そこには1メートル以上の雪の重さに耐えたおんぼろゴルフの姿がありました。
室内に乗り込みエンジンをかけると、「ブルルン」と元気に回りだすエンジン。
今思い出しても、涙が出てくるぐらいエンジンが回った時は嬉しかったですね~。
この先の未来のことはわかりませんが、もうしばらくこの車と共に時間を過ごせたらと思うばかりです。