見習い先の美容室に勤務しだしてしばらくたった頃から本格的な美容師としての練習が始まりました。
最初の練習は、シャンプーです。これは、どんな一流の美容師でも必ず最初に習う技術です。でも、シャンプーを習うといっても最初はシャワーのホースも持てません。やってみると分かるのですが、シャワーホースをコントロールして頭の狙った位置にシャワーをかけるのにも一苦労します(^-^;
なので、シャンプー技術を習う前にシャワーの扱い方やお湯のコントロール方法を習う事から始まります。ホント、まずここからです。
お湯の扱いが出来る様になると、先輩にモデルになってもらい「すすぎ」の練習からスタート。シャワーのお湯で、切った後の髪をすすいできれいにするあれです。
業界では「お流し」と言われる作業です。このお流しが上手に出来ない内はシャンプーの練習が出来ないお店が多いです。まともにお流しの作業が出来る様になるまで、1週間ほどかかりますがその間はひたすら先輩にモデルになってもらって練習あるのみ。
幸い、お流しを教えてくれているMチーフはお店の2階に住み込みで働いていたので時間を気にせず練習させてもらいました。
家に帰ったら今度はママさんに教えてもらってと、手のひらがブヨブヨになるまでお流し練習しました。
「美容師って大変」 と思ってしまったのですが、これから始まるシャンプー練習に比べるとお流しは「屁」みたいなもんという事をこの後思い知らされるのでした。
ある程度、お流し作業が出来る様になっていよいよシャンプー練習です。
髪にシャンプーを付けて洗うだけの行為なのに、なんと難しい事なんでしょうか?まず、手がぜんぜん動きません。右手と左手がバラバラちぐはぐな動きをします。
そして、シャンプー付けてもまずもって泡だちません。美容師さんっていとも簡単にすごい泡を立てるのですが、それすら出来ません。簡単そうに見えて実はとっても奥の深い技術がシャンプーだったんです。
来る日も来る日もシャンプー練習です。いつもの様にMチーフと唯一の男性スタッフのUさんに手伝ってもらいながら営業後は毎日練習の日々。
家に帰れば、息子と一緒にお風呂に入って息子の頭でシャンプー練習していました。嫌がる息子を無理やり仰向けに寝かせて、ゴシゴシやっていましたね。今思い出すと滑稽ですが、あの時は意外に真剣に取り組んでいたんですよ。
結局、シャンプーの合格が出るまで1ヶ月半ほどかかりました。でも、これでも早い方です。普通、ゼロから始めて普通にシャンプー出来る様になるまで3ヵ月程度は必要です。
美容師にとって、そしてお店にとってシャンプー技術は生命線なのでみっちり教え込まれます。このころは、ハンドクリームが欠かせない毎日です。
美容室に勤務してから2ヶ月から3ヶ月ほどは、タオルたたみ・掃除・補助作業の連続でお客様と一対一で接する事が無いので気が楽と言えば楽なのですが、ちょっと手持ち無沙汰な事もあります。
シャンプーの合格が出てようやくお客様に接する事が出来るのですが、その分緊張も大変なものでした。特に、シャンプーは合格が出ても素人同然なので常連のお客様にする時はガチガチの緊張マックスです。
洋服を濡らした事は数え切れずあるし、天井に向かってお湯を放出した事もあるしで慣れて普通に出来る様になるにはひと月はかかったと思います。
そんなシャンプーシャンプーの毎日が始まりました。
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